
「あたしらの小さい頃は、この辺りコーン カーン コンコンカンカンってゆーてねぇ
そこらじゅうから聞こえてきたもんですよ」

地元ボランテイァのおばぁちゃんいわく
瓦の型に土を詰めてハンマーで叩く音。
戦後このエリアでは、農産物と瓦の製造、
それが下火になると次に蚕を育て桑を植え、
それもだめになっていくとたばこの栽培も。
稲刈りがおわるとみな出稼ぎへでたと言う。
作品からはお蚕さまの活動音、
かつての道具、音、風土。先人たちの営みを深く妄想。
作品となった倉庫は雪の重みに耐えられようにアーチ型の梁がめぐらされ、
それらがまるで額のようにになり、
中央に抜けた空間は 自然が作り出す絵画となる。

春夏秋冬 少しづつ変化していくだろう絵を
できるだけ長く鑑賞していたい。